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【動画】花火師たちの言葉=室矢英樹撮影

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創業100年を超える「和火屋」の久米川和行社長、華穏さん親子=2024年2月26日午後1時13分、秋田県大仙市、室矢英樹撮影
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連載「HANABI]第10部 花火師たちの言葉(2)

 久米川和行さん(51)は「色彩の魔術師」と呼ばれる。家業の源流は江戸期に大名に仕えた「お抱え花火師」。なぜ、長く続けてこられたのか。ある言葉に鍵はあった。

     ◇

 「和火屋」は1901(明治34)年の創業です。祖父の光直は終戦直後の「大曲の花火」で優勝した名手でした。おやじの正行は10代の頃、父が病に倒れ、「廃業したほうがいい」と鉄道会社への就職話をいただいたそうです。

 しかし、おやじは「家業を守る」と3代目を襲名します。この決断がなければ、私は花火師として存在していません。

 花火は、新規参入がむずかしい世界。どう作るのか、どこで作るのか。居抜きのテナントに入って、すぐに開業とはいきません。

 それは危険な火薬を取り扱うからに他なりません。花火会社は、いつまでたっても歴史の積み重ねのうえに立つ家業なのです。

 花火の製造、打ち上げは業者ごとに「秘伝」があります。良い花火だと思っても、簡単にまねができません。

一瞬の輝きに「人生をぶち込む」

 社名のとおり、うちは「和火…

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